一年目の日

叶わない夢。
敵わない人。
夢が現実となっても、何も変わらない。

セフィロスと実際に知り合って一年が経った。
つまり、セフィロスと付き合い始めても一年になる。
もう一年なのか。まだ一年なのか。
未だに、二人きりになると、少し緊張してしまう自分が可笑しい。
初めて会った時に、行き成り付き合ってくれと申し込まれた。
その場に居たラザードが目を丸くしていたのを覚えている。
少し考えさせてくれ、と言ったら、何を考える必要があるのかと問われた。
俺の事を好きじゃないのか、と。
好きなのか、嫌いなのか、と問われたら、それこそセフィロスは、子供の頃から憧れていた英雄なのだし、好きだと言うしかない。
だが、それと付き合うかどうかは、別の問題だ。
「では、一週間経ったら、一ヶ月経ったら、一年経ったら……その気持ちは、変わるのか?」
── 好きだという、気持ちは……。
「お前には、何か感じるものがあった。お前も同じだと思ったが……」
そう言われて、はっとした。
確かに、初めて会った瞬間に感じるものがあった。
それは、多分、俺とセフィロスにしか分からない事。幼馴染みのアンジールにも説明出来ない。不可侵の領域。
俺とセフィロスは、同じ── だ。
一週間後でも、一ヶ月後でも、一年後であっても、きっと変わらない。
変わらないならば、それは、『今』ではいけないのだろうか?

そうして、結局付き合って、今日で一年。
一週間経っても、一ヶ月経っても、一年経っても、やはり変わりはなかった。
今でも、英雄になりたいという俺の夢は叶わなくて。
今でも、俺は、神羅の英雄には敵わない。

end
2009/1/18