Cold night,Good night
ジェネシスは本当に気粉れで、俺の部屋に泊まる事を頑なに拒む時もあれば、夜遅くにふらりとやって来て一緒に寝ようと言う時もあった。
ジェネシスにとって、一緒に寝たくない時と一緒に寝たい時の線引きがどこにあるのか俺にはさっぱり分からなかったが、一緒に寝ようというのは俺としては勿論歓迎すべき事で、そういう時は喜んでベッドに招き入れた。
大概、一緒に寝ようと言ってやって来た時のジェネシスは素直だ。今も大人しく、俺の胸に顔を埋めて俺の腕の中で眠っている。
ふとジェネシスが、ふるりと身体を震わせる。
「ん……寒い」
寝る時は音が部屋に響くのが嫌で空調を切ってあるのだが、やはりビル内とは言えこの時期だと多少冷える。
ブランケットを掛け直してやり、改めて背中に腕を廻して抱き寄せる。ついでに額にキスを落としてやると、顎を上げて唇ヘのキスを強請ってきた。
請われるままにキスを交わす。最初は軽く触れるだけのものだったが、ジェネシスの方から舌を絡ませてきたので俺も応じてやった。
「ふ……セフィ」
俺の首に腕を廻して、艶を含んだ声を洩らす。俺を見詰めるペールブルーの瞳はうっすら濡れていた。
誘われるように、ジェネシスの背中に廻した腕を下にスライドさせて、パジャマの裾に手を忍ばせる。
「ぅ……ン」
ジェネシスの眉間に僅かに皺が寄る。
ジェネシスのパジャマを大きくはだけさせて、背中をさするように手を滑らせる。
更に、その白い首筋に口付けを落とそうと顔を動かし掛けた瞬間。
「寒いって、言ってるだろう!」
突如、ジェネシスは声を荒げると背中にある俺の手を払い除け、はだけたパジャマを面倒臭そうに直す。そして、寒そうに身を縮こませると、再び俺の腕の中に身体を滑り込ませた。
「お前が脱がせるから、余計に寒くなった── 」
不機嫌そうに不平を訴えつつ、それでももう一度軽くキスを交わしてから、俺の胸に顔を埋める。
「ジェネシス……?」
それで、この状況は? 俺は、一体どうすれば良いんだ?
寒いと言うから、暖めてやろうと思ったのに。寧ろ、ジェネシスの方から誘っていると、誘われていると思ったのに。
それなりに長い付き合いになると思うのだが、未だにコイツの考えている事が良く分からない。
近付いたと思ったら離れて、離れたと思ったら近付いてくる。
ジェネシスは、本当に気粉れで── 。そんなところが、また可愛くもあるのだが。
悶々とした想いを抱えながらも、俺は仕方なく今度はブランケットごとジェネシスを包み込むようにそっと抱き締めて、赤みを帯びた淡いブラウンの髪を優しく撫でてやった。
end
2009/1/4